患者の負担が少なく、安全で効果的な手術が期待できるロボット手術。現在、日本では前立腺がんと腎臓がんの部分切除が保険適用となっており、医療ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術が盛んだ。医療ジャーナリストの松井宏夫氏は、ロボット手術を行なう医師には「年齢格差」があると指摘する。
「最初に前立腺がんが保険適用になった2012年前後に55歳だった医師は、“今からロボット手術を学んでも、定年や肉体の衰えを自覚する60代になってからはロボット手術をする機会がないだろう”と、ロボット手術の技術を学ぶことに消極的な人が多かった。逆にテレビゲーム世代である30代、40代の医師はロボット手術に意欲的な人が多かったため“名人”が多い」
ロボット手術は今後、胃がんなどでも保険適用が期待されるだけに、医師の技術向上が重要になる。
脳梗塞などの脳血管疾患では、カテーテルと呼ばれる管を足の付け根などの血管から挿入し、そこから薬剤を注入するなどして脳内の血栓を溶かしたり粉砕したりする。歴史の浅い内視鏡手術やロボット手術と比べて、カテーテルは1970年代から普及している息の長い施術だ。