5月18日、阿川佐和子さん(63才)が、元大学教授のS氏(69才)との結婚を発表した。 この還暦を超えての結婚について、著述家・プロデューサーの湯山玲子さん(56才)はこう語る。
「結婚した方が社会的な利点が多い、と判断したことは少なからずあったと思います。例えば相手の男性が病気で倒れ、手術に親族の同意が必要となった場合、事実婚だといろいろと難しいですから。保険や税金の面でも入籍していないと面倒なことが多い。老後ってリアルなんです。法律的にも家族の権限を持っていた方がいいし、そのあたりを自覚し、結婚という制度を選んだ、と」
実際、阿川さん自身も『週刊文春』の手記でこう明かしている。
《夫婦ではない“パートナー”として生きていくことは現状の日本では勇気のいることだろうとも認識しておりました》
《介護関係の用事をS氏に頼んだとき、先方から「この人誰?」と怪しい目で見られます。(中略)もし自分が先に亡くなったときに、「阿川佐和子、内縁の夫に看取られる」という記事が出ると思うと、なんだか親不孝な気がして》
湯山さんに同意見だという人は、特に若い世代で多く見られた。
「入籍していないと役所の手続きとか面倒だし、今後の生活を考えて、結婚という制度を利用したのだと思います。阿川さんって頭のいいイメージがありますし、損得を天秤にかけた上で入籍を選んだのでは」(30代女性)
「愛を成就させたというより、法律上の立場をしっかり固めたかった部分はあった気がする。妻として行政上の正当なサービスを享受するため、というと言葉は悪いかもしれないけど、自分にメリットがないと、あの年でわざわざ結婚はしないと思う」(20代女性)
ここで見えてくるのが、結婚を“コスパ”で考える近年のトレンドだ。片や、結婚すれば光熱費や水道代を一本化できるので、コスパが高いと考える。他方、自由な時間が減り、自分のために使えるお金も減るのでコスパが悪いと判断し、結婚しない…。いずれも愛情より実利を重んじる風潮である。湯山さんが語る。
「今の時代、セックスレスは当たり前です。冷め切った夫婦が多い中、それでも離婚しないのは、経済面や法律など“コスパ的な発想”で取引しているからに他ならない。もちろん阿川さんと相手男性は愛し合っていると思いますが、“籍を入れた方が得だ”という視点は入ってきているはず。夢のない話で申し訳ないけど、大人同士の信頼関係があった上で現実にこれからの人生で幸福を得るための冷静な選択だったのでは、と思います」
※女性セブン2017年6月15日号