突然の“余命3か月宣告”だった──。5月25日、大手菓子メーカーの明治はスナック菓子「カール」の東日本での販売終了を発表した。8月生産分をもって主力の「カールうすあじ」「カールチーズあじ」は西日本地域のみの販売になる。
全日本菓子協会によれば、2016年の菓子全体の売り上げは3兆3609億円。この10年間、全体としては横ばいだ。「スナック菓子」の売り上げだけを見ればむしろ微増となっている。
それなのになぜ、一世を風靡した老舗ブランドが“消滅”したのか。カール販売終了の謎を追うと、「絶滅危機にあるロングセラースナック菓子」が浮かび上がってきた。
スナック菓子は、じゃがいもが原料の「ポテト系」、とうもろこしが原料の「コーン系」、小麦が原料の「小麦系」に大別される。カールと同じコーン系には、東ハト「キャラメルコーン」(1971年発売)、ハウス食品「とんがりコーン」(1978年発売)、湖池屋「スコーン」(1987年発売)などがある。
スナック菓子の出荷構成比は、ポテトチップスに代表されるポテト系が72%と突出しており、コーン系17%、小麦系8%と続く(2016年、全日本菓子協会調べ)。流通ジャーナリストの渡辺広明氏が解説する。