繰り返される北朝鮮のミサイル発射情報に慣れてはいないか──。海を狙ったのに、誤って日本本土に落としてしまうことがあるのがあの国だ。しかし私たちはミサイルが本当に飛んできたらどうなるのかを知らない。
各地で“その時”に備えた準備は着実に進んでいる。もしミサイルが飛んできたら、いったいどこに、どのように逃げるべきか。
◆山手線の内側が危ない
日本に着弾する可能性のある弾道ミサイルは、日本全域を射程に収める「ノドン」(射程1300km)か「スカッドER」の改良型(射程1000km)とみられている。
問題は着弾場所と、弾頭搭載物である。北が狙う標的としては在日米軍基地に加え、原子力発電所や国会議事堂などがこれまで取り沙汰されてきた。一撃で日本に壊滅的ダメージを与える戦略だ。
しかし、軍事ジャーナリストの井上和彦氏はこんな見立てを語る。
「もし北が日本を本気で攻撃するのなら、どこかの施設をピンポイントで狙うのではなく、例えば東京の山手線の内側など全国どこでも人口密集地に落とせばいい。
そうすればどこに落ちようが被害は甚大。即座に日本経済や国民生活に大打撃を与えることができます。ミサイルの命中精度も考慮せずに済む」