国内

生前退位報道以降、宮内庁で「安倍派工作」人事続く

宮内庁人事にも“総理のご意向”が?

 天皇陛下の生前退位の意向が初めて報じられたのは昨年7月のことだ。以前から退位の希望を示されていた陛下を慮って、宮内庁内部がメディアにリークしたと見られている。その一方で安倍晋三首相は違う考えを持っていた。退位に関する有識者会議の座長代理は、4月の日経新聞のインタビューで「安倍首相は必ずしも退位賛成ではなかった」と証言した。

「彼は別の場でも“会議の論点整理は最終報告の3か月も前に終わっていた”、“実際に話し合っていない内容が議事録に書かれていた”と、最初から陛下の考えとは違って、『一代限り』の結論ありきだった内幕を暴露しました」(政治ジャーナリスト)

 宮内庁内の生前退位リーク報道以降、安倍官邸は露骨に「安倍派工作」ともいえる人事を行っていく。昨年9月末、風岡典之宮内庁長官が退任し、後任に山本信一郎次長が昇格した。

「宮内庁長官は70才を節目に勇退するのが慣例で、風岡氏も9月中旬に70才を迎えました。ですが、職員の異動時期は年度末が基本。風岡氏も翌年3月までは職務をまっとうすると考えられていましたから驚きました」(別の皇室ジャーナリスト)

 風岡氏は、ときに「両陛下、ひいては皇族方に寄り添いすぎる」と批判されることもあった。風岡氏の後任に山本氏が就くことで空いたナンバー2の次長に就任したのが西村泰彦氏だった。

 彼は昨年7月、天皇陛下の生前退位のご意向がNHKで報じられ、話題になった直後の9月に宮内庁に異動して来た人物でもある。

「西村氏の前職は内閣危機管理監。つまり、安倍首相の手足となって動いていた『安倍派』。西村氏は、宮内庁内部の動きに目を光らせる重要な役割を担って官邸から送り込まれた、という見方がもっぱらです」(前出・政治ジャーナリスト)

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