繰り返される北朝鮮のミサイル発射情報に慣れてはいないだろうか。海を狙ったのに、誤って日本本土に落としてしまうことがあるのがあの国だ。しかし私たちはミサイルが本当に飛んできたらどうなるのかを知らない。
各地で“その時”に備えた準備は着実に進んでいる。もしミサイルが飛んできたら、いったいどこに、どのように逃げるべきか。
◆窓の近くは絶対に避ける
爆発力そのものより恐ろしいのは、より広範囲に被害を及ぼす爆風である。テロ対策や危機管理が専門の青森中央学院大学教授の大泉光一氏(国際関係論)が話す。
「ミサイル対策は爆風対策の面がある。ミサイル着弾が予想された時は窓の近くにいることは絶対に避けるべきです。爆風でガラスが破砕・飛散し、重傷を負う可能性がある。だから避難場所は地下か堅牢なコンクリート造りの建物の中とされているのです」
爆風波は人体へのダメージが高い順に1次爆傷から4次爆傷にまで分かれる。1次爆傷は爆発の衝撃波で肺や眼球が破れ、即死に近い状態をいう。着弾地点付近にいれば被るケースだ。
2次爆傷は衝撃波でガラス破片が銃弾より速いスピードで飛んで来て人体を損傷(貫通障害)するケース。3次は爆風で体が吹き飛ばされ壁などにぶつかることで受けるダメージをいう。4次は爆風の熱で受ける火傷などだ。