気の利いた会話とミステリアスな雰囲気で、次々に女性たちを騙していくディーン・フジオカ(36才)演じる天才結婚詐欺師・古海健児。これまで好感度の高いキャラクターを演じてきたディーンにとって、映画『結婚』(6月24日全国公開)で演じた“ずるくて悪くて嘘つきな男”は難役かと思いきや…。
「俳優という仕事と詐欺師には近いところがあると思います。演じる男の人物像を考え、彼ならこういう立ち振る舞いをするだろうとアプローチしていく点は共通している。ルール無視でその“技術”を使ったら詐欺師になるのかもしれないですね」(ディーン・以下「」内同)
古海は「結婚しよう」という言葉で次々にプロポーズを決めていく。ディーン自身がしたプロポーズを尋ねると、「Will you marry me?(結婚してくれませんか?)」というシンプルなものだったと教えてくれた。
「台湾の家でしたね。ぼくは映画の撮影で東京へ、彼女は自宅のジャカルタへ戻る日の朝でした。ぼくは先のフライトだったので、スーツケースを手に玄関に出たんです。なんだか今言わなければ、という思いが強くなって…。
ぼく自身が監督を務める映画の撮影だったので、今度、いつ会えるかわからなかった。そうしたこともあって、自然と言葉が出てきたのかもしれません。彼女は驚いていましたが、すごく喜んでくれました」
◆子どもが生まれて結婚のよさをかみしめる
中国系インドネシア人の女性と結婚し、5年目。3年前に男女の双子に恵まれ、この3月には第3子が誕生。その話をする時は目尻が下がりっぱなしだった。
「子供ができて家族が増えてからは、とくに結婚してよかったと思います。コンフォートゾーン(安全地帯)っていうのかな、いい時も悪い時も帰る場所があるのはすごく幸せなこと。結婚なんてただの制度だと思った時期もあったんですけど、してみたらそのよさがわかりました」
ジャカルタに住む家族と離れ、今は“単身赴任中”の身。
「一緒にいるときは子供の夜泣きに悩まされることもありますが、仕事で家を離れていると、すごく会いたくなります。毎日テレビ電話をして、エネルギーをチャージしています」
“詐欺師の正体”を見た気がする。
撮影/藤本和典
※女性セブン2017年6月22日号