現在の政治は「安倍一強」といわれる状況にある。かつて「剛腕」と呼ばれた小沢一郎氏はこの状況に何を思うか。野党が弱すぎるとの指摘もあるが、果たして「安倍一強」を打ち破ることはできるのか。小沢氏に話を聞いた。〈聞き手/武冨薫(政治ジャーナリスト)〉
──第1次安倍政権の時も自民党は衆院296議席を持っていたが、「安倍一強」とは評されなかった。むしろ数の割に「ひ弱」な印象さえあった。そこをあなたは徹底的に突き崩して、政権交代のきっかけとなる参院選(2007年)に勝利した。当時と現在と安倍首相は何が変わったと見ているか。
小沢:安倍さんの性格は変わってないんじゃないですか。自民党には数があったけれども、当時はこっちが年金問題やガソリン税の暫定税率問題を国会で徹底して追及した。今、一強と言われるのは野党が何もしないからだ。
──現在の安倍晋三首相は野党に追及されると「民主党はもっと悪かった」とやり返す。国会で議論にならない状態をつくることが安倍政権の「空気」のつくり方です。
小沢:もともと論理的に話せる人ではないからね、安倍さんは(苦笑)。