それにつけても、手に入らない。女性セブン記者も『カール』を求めて都内を歩いたが、どこに行っても見つからない。スーパーでもコンビニでもカールの棚だけはスカスカ。「箱買いに限る」と聞きつけ、ようやく見つけたネット通販では10袋で2800円…。どうしようか迷っているうちに売り切れた(涙)。結局、たまたま出張で東京に来ていた関西在住の友人に頼み込んで、1袋譲ってもらい、ホッと胸をなでおろしたのだった。
5月25日に『明治』がスナック菓子カール(128円)の東日本での販売終了を発表して以降、各地で売り切れが続出している。ネットのオークションサイトでは「1袋15万円」で出品される騒ぎもあった。
カールは9月以降、主力の「チーズあじ」「うすあじ」が西日本のみで販売され、全国5か所にある生産拠点は四国・松山工場だけに絞られることになった。「カレーあじ」『大人の贅沢カール』『小つぶカール』は生産を終了する。
西日本での販売が続くとはいえ、突然の引退宣言にショックを受けたという声は多い。
「子供の頃からの大ファン」だという東京都在住の会社員、田子麻美さん(仮名・48才)は話す。
「大人になっても自分が食べるだけでなく、受験シーズンに店頭に並んだ“うカール”を大学受験を控えた息子に買ってあげたのはよい思い出です。今回はニュースを聞いた直後にスーパーに走って5袋まとめ買いしました」
これほどの大騒動になる人気なのに、なぜ販売を中止するのだろう──ふと、編集部で見かけた光景がよみがえった。26才の男性記者は、「指が汚れるのが嫌だから」とカールを器用に割り箸で食べていたっけ…。コンビニ研究家の田矢信二さんはこれが販売中止の理由のうちの1つと話す。
「今の消費者はオフィスでも自宅でもスマホをいじりながらお菓子をつまみます。その時、コーン系商品特有の指についてしまう粉を敬遠する派もいます。これは1995年に女子高生にバカ売れした持ち運びやすく、粉がつきにくい『じゃがりこ』の誕生が影響していると思います」
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号