くすぶり続ける加計学園問題について、前川喜平・文科省前事務次官は「「あったものをなかったものにできない」と語り、偽りを基にものごとが進んでいくことに警鐘をならした。こうした状況について小沢一郎氏は何を思うか。〈聞き手/武冨薫(政治ジャーナリスト)〉
──「偽りが蔓延する社会」は日本だけではない。フランスや韓国の大統領選では相手を誹謗中傷する「フェイクニュース」が広がり、フェイクニュースで勝利したといわれる米国のトランプ大統領は自分に不都合な報道に「フェイク」とレッテルを貼って現実から目を背けている。
しかし、そうした世論誘導は各国では強い批判にさらされている。「怪文書だ」という官義偉房長官の一言で国民のスキャンダル批判を止めようとできると考えているのは、世界で安倍政権だけといっていい。
小沢:日本以外のところは国民が行動する。フランスの大統領選では、ル・ペン氏の極右政権を阻止するために、社会党から右派政党まで手を組んだ。韓国でも、朴槿恵・前大統領の腐敗に国民が立ち上がった。
一方、日本では野党結集と言うとメディアがすぐに「野合」と批判するけれども、今、日本にはまさに安倍内閣という極右政権ができているんだから、これを倒すためにフランスのように全員で対抗するのは何も悪くない。僕は野党に常々「堂々とやれ」と言っている。