毎週のように2歳馬がデビューしている。初めてのレースはやはり緑の芝の上を走らせたいというのが多くの馬主の“親心”だ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、馬の「芝向き」「ダート向き」について解説する。
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これまで血統の話が続きました。その馬が「芝向き」なのか「ダート向き」なのかも、判断のよりどころはとりあえず血統です。
角居厩舎が預からせてもらっている馬は基本的に「芝向き」が多いのですが、それでもデビュー時期によってダートを走らせる場合もあります。冬場のデビューならばダートを走らせ、うまく走れば次走もダートへ、ということもめずらしくない。
馬の状態、たとえばソエが出やすい馬はダートデビューがいい。ぜひともクラシック路線へ、といったオーナーさんの強い意向がなければ、安全に早めに勝たせてやりたい気持ちがあります。
それで新馬戦で勝つと、「次は芝でいけそう」という雰囲気にもなります。ダートで2勝したカネヒキリの毎日杯挑戦もそうでした。その後はダートに戻り、獅子奮迅の活躍を見せてくれました。やはりダートでこそという馬だったわけです。