渋谷駅から歩いて5分、高層ホテルやしゃれたオフィスビルが建ち並ぶ一角を歩いていると、どこからともなく「メェ~~~」という声がする。都会には不似合いな鳴き声の主は、桜丘カフェの看板娘、さくら。
「渋谷にヤギって珍しいでしょ。でも、ヤギって犬や猫に負けないくらい人と暮らしてきた歴史があるし、接客業に向いてると思うのよね」
カフェがオープンしたのは2009年。翌年、さくらと、オスの黒ヤギ・ショコラがやってきた。
「ショコラは身体が弱くてね…。都会暮らしはかわいそうだからって、農場に帰ったの。最初はちょっと寂しかったけど、今はひとり暮らしをエンジョイしてるわ」
人間スタッフのあいだでは「女子力が高い」と言われているさくらは、イケメン好き。好みは顔立ちがハッキリしている若い男性だといい、「タイプのお客さまがいらっしゃるとテンションが上がっちゃう!」とのこと。テラス席ではさくらと一緒にランチやティータイムを過ごせ、週に2度お客さまとのお散歩タイムもある。
「みなさんに『かわいい』って言ってもらうのが一番うれしいの。写真もOKよ!」
“シブヤギ”のさくらは、渋谷の街の「会いに行けるアイドル」なのである。
【プロフィール】
名前:さくら ♀
年齢:7歳
種類:シバヤギ
勤務先:桜丘カフェ
職種:接客業
主な仕事内容:お客さまにご挨拶がメインですが、月曜日と水曜日はお客さまと一緒に渋谷の街をお散歩します。
お給料:干し草。ボーナスに人参。
好きなこと:「かわいい!」と言ってもらうこと。耳の裏をなでてもらうこと。
嫌いなこと:水が苦手だから雨の日は嫌いです…。
現在の悩み:落ち葉が大好きなんだけど、今は新緑の季節だから落ち葉がないの。早く秋にならないかなぁ。
将来の夢:代々木公園に行って、お散歩しながら草をたくさん食べてみたいわ!
撮影/山口規子
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号