〈安倍総理がダメになったら、次は谷垣さんしかいない〉──自民党内や霞が関でそんな待望論が高まっていた谷垣禎一・前幹事長がサイクリング中の転倒事故で入院してはや1年近くが経つ。
当初は「軽傷」と発表されたが、「頸髄損傷」で手術を受け、入院が長引くにつれて党内では「政界復帰は絶望的ではないか」という見方が広がっている。谷垣派の会合や地元・京都の自民党府連パーティ(今年5月)では、「復帰まであとしばらく、お許しをいただきたい」などといった本人のメッセージが代読されたものの、回復具合がわかるビデオや録音によるものではないことも復帰困難説が強まる理由だ。
その矢先、内閣改造を控えた官邸筋から仰天人事情報が流れ出した。
「官邸が得ている情報では、谷垣さんは順調に回復しており、杖をついて歩くリハビリもしている。頭はしっかりしていて、メールも打てる。下肢に麻痺が残っているから当面は車椅子だが、総理や菅義偉・官房長官の周辺では回復の具合によっては次の内閣改造で谷垣さんを副総理に起用する案が検討されている。財務相兼務ではなく、無任所の副総理であれば負担は比較的軽い」(首相側近)
安倍首相は昨年の谷垣氏の事故直後の内閣改造でもギリギリまで幹事長留任を要請し、断わられて二階俊博氏を起用した経緯がある。とはいえ、リハビリ中の谷垣氏をいきなり副総理起用とは唐突さは否めない。
果たして谷垣氏はどこまで回復しているのか。本誌は最新の様子をつかんだ。