男女関係では、「長く一緒にいたい」と安定を求める半面、どこかリスクがあるものに、たとえそれが反社会的な行為であっても、ドキドキ感を求めてしまう。恋愛中の脳内には、報酬系と呼ばれ、幸福感をもたらし、やる気スイッチを押すといわれる神経伝達物質『ドーパミン』が、側坐核などから大量に分泌される。このドーパミンが大きく影響しているのだ。神経内科を専門とする医師で、著書に『脳が若返る30の方法』(中経出版)などがある米山公啓さんが説明する。
「緊張感を高め、より快感が強くなるのですが、不倫状態ではドーパミンもより強く出ることがわかっています。快感が強くなれば、人間はより強い快感を求めるようになります。人間の欲望にはキリがないんです。だから例えば夫婦生活でマンネリに陥っている人ほど、よりリスクの高い不倫で満足感が得られる」
とはいえ、脳が若返るためにとばかりに、不倫などをおすすめしたくはない。
「おいしいものを食べたり、お金がもうかったり、セックスしたり、という快感を伴う場合、基本的に脳には同じドーパミンが出ているといわれています。だから恋愛といっても、不倫がすべてではありません。例えば韓流スターやイケメンアイドルグループにときめいて、追っかけしたりすると脳はより活性化します。写真を見ているのと、会いに行くのでは、脳への影響がずいぶん違うんですよ。普通は面倒だと思うでしょ。時間もお金もかかりますから。そうした理性を飛び越えるのは、ドーパミンが大量に出ていないとなかなかできないんです。
もともと人間って動かないとダメな動物。つまり、昔は水を飲みに行くために水場を探したし、獲物を獲るために山へ行ったでしょ。常に歩いたり動いたりしていたのが、今はなんでもワンクリックでできてしまう世の中になってしまった。だからこそ、何事も行動を起こさないと、脳はどんどん老けていきます」
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号