球団史上ワーストを更新した13連敗を喫するなど、最悪のシーズンを送る巨人軍。そして、2011年の「清武の乱」以降、育成システムが崩壊するなどして積み重なった負債を背負わされた高橋由伸監督。その采配には、周囲が「不可解」と訝るものも増えている。スポーツジャーナリストが語る。
「ちょっと思い付きなんじゃないかと思ってしまうケースが多くなっている。6月2日のオリックス戦では、9回2死一、二塁の一打サヨナラの場面で、二塁走者の小林(誠司)に俊足の重信(慎之介)を代走に送らず、坂本(勇人)のセンター前ヒットが出たのにランナーを返せなかった。そんなに小林を代えたくないのかと思ったら、翌日には小林の第1打席に代打を送った。まるでバラバラなんです。
10日の日本ハム戦では体調が悪いと坂本をスタメンから外し、代わりにショートを守ったクルーズがエラーを連発した。周囲のコーチたちも失敗した時の責任を取らされるのを怖がってアドバイスできない状況なのでしょう」
6月14日には、ソフトバンク打線を6回まで無安打に抑えていた山口俊を交代させ、継投でのノーヒットノーランを達成。7回表開始前、表情をピクリとも動かさず主審にマシソンへの交代を告げた。この“大胆すぎる決断”にも、「後ろの投手が打たれていたら猛批判を浴びる大博打」(同前)と心配の声があがる。
「イニングまたぎの登板で炎上したばかりのマシソンを2イニング引っ張るなど、勝算が高い方法を選んだとも思えない。何をしても批判を浴びるので逆ギレしたギャンブルではないか。これで勝ち続けられるとは思えない」(同前)
由伸監督の窮地は続く。
※週刊ポスト2017年6月30日号