「痛み止めのロキソニンから、感冒薬(風邪薬)、アレルギー薬、ステロイド薬、胃腸薬、ビタミン薬、脱毛症などの『医療用医薬品』を処方箋なしで買っていただけます。病院で処方してもらった薬がなくなったけれど、多忙で病院に行けない人などのニーズに応えたい」
そう話すのは、昨年8月にオープンした薬局「池袋セルフメディケーション」の長澤育弘代表だ。同薬局では入り口上部の看板に〈処方箋なしで医薬品購入〉と掲げる。基本的には病院で診察を受けないと手に入らない「医療用医薬品」を買うことができる。
東京・池袋駅東口から歩いて5分ほど、古びた小さなビルの1階に店舗がある。ドアを開けるとカウンターがあり、向こう側に薬剤師である長澤氏が座っている。奥にはガラス張りのスペースがあり、薬棚が設置されている。見た目は小さな調剤薬局と変わらない。
店を訪れた客は、買い求める医薬品名を長澤氏に告げる。使用歴などを聞かれた上で、副作用の説明を受け、問題がなければ、奥の棚から薬が取り出され、購入となる。スムーズに進めば、この間、約10~15分程度だ。
「基本的には患者さんが使ったことのある薬、過去に処方箋を出してもらったことのある薬を売ります。添付文書を提示して注意事項を確認してもらい、口頭で説明してから渡しています。購入者に副作用が生じないように、特に注意しています。これまで副作用の問題が起きたという報告はありません」(長澤氏)