国内

安倍政権 中曽根氏らが大切にした政治の高潔さ残らず

安倍政治は後世にどう語られるのか

 安倍政権の異常さは、先人たちの言葉と並べてみれば鮮明に浮かび上がってくる。

「畏(か)しこみ、謙虚に公約を果たす。議席の多数は責任の多量で、政策的なことは質であり、国民の声を聞き、野党の話せる相手と協定し、一緒に、国民のため、国家的目的に奉仕したい。自民党の独善は厳に自戒す」

 1986年の衆参ダブル選挙で自民党に歴史的大勝利をもたらした中曽根康弘・首相は、投開票日翌日の日記に、選挙後の国政に向けた決意をそう記した(エピソードは牧久著『昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実』より)。その政治状況は、衆参で過半数を占め、「一強」と呼ばれる現政権に重なる。

 しかし、安倍政権に「畏しこむ謙虚さ」はない。「議席の多数」は権力の白紙委任状と思い込み、野党との協議など考えもしない。委員会を途中で打ち切るという異常な手続きでの共謀罪法案の強行採決は、「自民党の独善」以外の何ものでもない。

「自省」「自戒」を常々口にしていた中曽根首相の政治運営は、それでも当時は「独善的」と党内外から批判された。そうした批判や論戦に、中曽根氏は正面から向き合った。土井たか子・社会党党首との憲法論争は、今でも「国会論戦の手本」とする声は根強い。それは政(まつりごと)の作法と責任の重さを、時の政治家たちが自覚していたからに他ならない。

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン