韓国政府から見捨てられた人々の怒りが、文在寅政権を誕生させた。そして今、彼らは国の行く末についてどのような思いを抱いているのか。膠着する日韓関係をどのように見ているのか。新聞やテレビでは報じられない肉声を現地で聞いた。
文大統領の喫緊の課題として、「国内経済の立て直し」と「生活困窮者の救済」を訴える声が多かった。
ソウル市中心部の光化門広場で雑誌の路上販売を行う60代男性は、経営していたネジ工場が不況で倒産。その後しばらく路上生活を経験したという。
「教会で行われる炊き出しには今でも300人もの人が集まります。私は雑誌を売る仕事を得て何とか食いつないでいますが、韓国政府はもっと生活困窮者に目を向けてもらいたい」
文大統領は今後、10兆ウォン(約1兆円)を費やし「80万人の雇用を創出する」と明言。だが、現在も路上生活を続ける70代男性は呆れ顔でこう吐き捨てた。