音楽の解説しかり、“1対1で語りかけてくる”のがラジオの最大の持ち味。いつの世もその距離感や親近感がリスナーを魅了してきた。
普段ならありえない本音がぽろっと出てしまうのも、ラジオの魔法だ。2016年12月のSMAP解散の直後、「メンバーが本当のことを話してくれるかもしれない!」とファンが希望を胸に耳を傾けたのがラジオだったのも、その距離感を求めてのことだろう。
ラジオは、「声だけだからこそ、ごまかしがきかない」と語るのは、元NHKアナウンサーの住吉美紀(44才)だ。現在は、毎日を元気に過ごすための生活情報を届ける番組『Blue Ocean』(TOKYO FM)のパーソナリティーを務めている。
「体調が悪いのも、“こう言えばウケるかな”なんて考えも、声を通じてみんなわかっちゃう。リスナーさんから『住吉さん、あの話題興味なかったですね』なんて届くんですよ(笑い)。だから自分の人間臭さや嘘のない生の感情は隠しません」(住吉)
ゆえに計算が通用しないといい、ド直球さがリスナーとの距離を縮めるという。
「生放送だからこそ、私自身もフレッシュな驚きや感動を表せるし、それはリスナーさんも同じ。先日は『お母さんが不倫しているのに気づいてしまった、どうしよう』って“昼顔”的な相談が20代のかたからきて、“え~っ!”ってなって。そうしたら放送中に『私の親もそう』『ウチも!』というメールがぽんぽん届いて、こんなに世の親は不倫をしているのかと。
“うそ、そんなことがあったの?”と、想像を超えるすごい体験がラジオの生放送には寄せられてくることが多いので、時にとても興奮します」(住吉)
生放送のラジオについて住吉は、“リスナーへ空気を投げている感じ”とたとえる。
「悪い空気も弾んだ空気もそのまま伝わる、ライブ感。または自由度かな。ちょっとしたことで、みんなで盛り上がれるのがラジオの醍醐味。1つのメッセージをリレーしていく生放送は、私にとってもエンターテインメントなんです!」(住吉)
※女性セブン2017年6月29日・7月6日号