『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の勢いが止まらない。25日の放送で20.3%(関東地区)を記録し、番組記録を更新する8週連続視聴率20%越えを達成した。最近のテレビ界では少なくなった海外ロケを行ない、出川哲朗やデヴィ夫人が奮闘する姿も人気の要因となっている。
実は、番組がスタートする前、スタッフは1980年代前半に『視聴率100%男』と呼ばれた欽ちゃんこと萩本欽一の元へ教えを請いに行ったという。「どんなことに気を配れば番組が当たりますか?」と聞いたディレクターに対して、萩本はこう助言したという。
〈僕は、「ヒントは『遠い』と『辛い』だ」とだけ言いました。すると、そのディレクターはそれを見事に実現しました。『イッテQ!』は、タレントが遠くまで行って辛いことをこなしてくるという実にシンプルな番組です。それがヒットにつながったと思います。
テレビの現場は常に慌ただしいものです。だから、ともすると「近くて」「楽な」方法で番組をつくりがちです〉(萩本欽一・著『ダメなときほど「言葉」を磨こう』より)
2000年代に入って以降、テレビの製作費は徐々に下がり、2008年のリーマン・ショック以降は激減している。その前後から、テレビ界では“ひな壇番組”が隆盛を誇るようになった。テレビ局関係者が話す。