加計学園問題などの影響もあり、新聞各紙などの世論調査で安倍政権の支持率が10ポイント以上も急降下し、小池百合子・東京都知事に「神風」が吹き出した。都議選は結成半年の都民ファーストの会がいきなり「都政第一党」に大躍進のムードなのだ。自民党東京都連幹部は悲鳴をあげる。
「このままでは都民ファーストに議席数で負けるのは確実。そればかりか、複数区では自民現職が共産候補と最下位争いを演じ、どんどん逆転されている。状況は自民党が過去最低の38議席だった悪夢の2009年都議選に似てきた」
国政選挙4連勝中の安倍晋三・首相は重点選挙区の応援に回る予定だが、都議候補の陣営からは“来てほしくない”との本音が漏れる。
「総理が来れば側近の下村博文・都連会長と萩生田光一・官房副長官が必ず同行する。3人が揃って街宣車にのぼれば、かえって“加計三羽カラス”といわれて票を減らしてしまう」
一方の小池氏は争点の築地市場移転問題で「築地は守る、豊洲を活かす」と玉虫色の方針を表明しながら、安倍自民の敵失で確実に票を増している。小池氏がにらんでいるのは早くもその先、都議選後の国政進出だ。政治評論家の有馬晴海氏が指摘する。
「小池氏は都議選前に側近の若狭勝・代議士と揃って自民党に離党届を出した。これは小池新党が都議会にとどまらず、いよいよ国政に進出するという意思表示とみていい。遅くとも来年12月の衆院の任期満了までには総選挙が行なわれる。選挙準備を考えると都議選が終わればすぐに“国民ファーストの党”の立ちあげに動くはずです。メンバーは若狭氏の他、小池氏と親しく維新の党を離党する意向の渡辺喜美氏に加え、民進党を離党した長島昭久氏などの名前があがっている。参院の無所属議員を含めるなどして5人はすぐ集まるのではないか」