通常国会終了後、加計学園問題の影響もあり安倍内閣の支持率が急落し、小池百合子東京都知事が率いる都民ファーストの会に「神風」吹き出した。「東京は日本のシンボルだから、都議選があまりにぶざまな結果なら国政にも影響してくる」──自民党の二階俊博・幹事長は危機感いっぱいの言い方をしているが、首相官邸を驚愕させたのが、調査のたびに悪化する自民党の独自選挙調査の分析結果だった。自民党選対幹部の話だ。
「党の調査と各紙の世論調査内容を加味して分析すると、東京では自民支持層の6割近くが小池支持。自民党の政党支持率は大きく落ち込み、都民ファーストが自民離反票の受け皿になっている。小池批判票が自民でも民進党でもなく、共産党に流れていることから読み取れるのは、いまや有権者の投票行動は個々の候補者ではなく、トップの顔で決まるということ。
安倍首相は民進党の蓮舫相手であれば絶対に負けないが、東京では小池氏に及ばない。小池新党が国政に進出すれば自民は過半数割れを起こす可能性も否定できない」
衆院292議席を持つ自民党がいきなり過半数割れとはにわかには信じがたいが、小池政治塾には約4000人が参加しており、国政に向けた大量の「候補者予備軍」となる。
「小池塾の塾生から都議選に出馬できたのはごくわずか。候補者選考に漏れた塾生には不満が溜まっている。そういう人たちのためにも、小池氏が国政新党を立ちあげて全国的に候補者擁立を進める可能性がある」(同前)
選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興氏も、「自民党過半数割れは現実に起こり得る」との見方だ。