国内

在宅医療と病院では、患者のケアの方法がここまで違う

「自分でも居心地よく旅立ちたい」という室井滋

 自宅で最期を迎えたい――そんな希望はありつつも、実際は8割ほどが病院で亡くなるのが今の日本。そんな中、在宅医療関連のエピソードが詰まった『なんとめでたいご臨終』を著した在宅医療の医師・小笠原文雄さんと女優・室井滋さんの対談が実現した。

小笠原:室井さん自身はどんなふうに最期を迎えたいですか?

室井:私も病院ではなく絶対に家がいいですね。占い師の人に、「あなたは長生きだけど、最期はひとりだよ」って言われたことがあるんですが(笑い)、人にあまり迷惑をかけないように、自分でも居心地よく旅立ちたいですね。だから、すっぴん、素のままの自分でいられる家がいい。

 病院が患者さんを診るのと、在宅で病気の人をみんなでケアする方法は、随分違う気がします。病院は患者さんに何かあったら大変だから、みんな診るんだけど、在宅では、小笠原先生をはじめ、みなさんの気持ちに守られている感じがしました。

小笠原:在宅と病院で何がいちばん違うかというと、家では伝達手段が「気」なんですよ。しゃべれなくなっても気は伝わります。ところが、病院では生きているか死んでいるかを機器が見ている。心電図モニターのピーコピーコという音で、ナースセンターが監視しています。

室井:そのうちロボットに看取ってもらうようになるかもしれませんね。「亡くなりました、ピー」みたいに。

小笠原:そう、ロボットと一緒です。病院では機器で管理されるけど、家では人間の気とか、いのちの暖かみが大事にされる。例えば、患者さんが1階に寝ていたら、ご家族も1階にいなきゃと思われるんですが、ぼくは「2階で寝ていて構いませんよ」と言うんです。2階にいても、気がどーんと届いて、容態が変わったことがわかったりするんですよ。

室井:それはすごいですね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末は再婚へと向かうのか
「これからもずっと応援していく」逮捕された広末涼子の叔父が明かす本当の素顔、近隣住人が目撃したシンママ子育て奮闘姿
坂本勇人(左)を阿部慎之助監督は今後どう起用していくのか
《年俸5億円の代打要員・守備固めはいらない…》巨人・坂本勇人「不調の原因」はどこにあるのか 阿部監督に迫られる「坂本を使わない」の決断
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
「居酒屋で女将をしている。来てください」と明かした尾野真千子
居酒屋勤務を告白の尾野真千子、「女優」と「女将」の“二足のわらじ” 実際に店を訪れた人が語る“働きぶり”、常連客とお酒を飲むことも
週刊ポスト
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン