学生の夏休みが近づく7月1日、東京都は「特定異性接客営業に関する条例」を施行した。この条例で、添い寝や散歩など18歳未満による親密なサービスを売りにした「JK(女子高生)ビジネス」が新たに規制される。この条例の施行に向けて都内のJKビジネス店は激減したといわれている。ライターの森鷹久氏が、JKビジネス店舗で働いていた少女が、条例によってどのように変わらざるを得なかったのかをリポートする。
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「JKビジネス」には少女と男性が散歩をする、会話をする、添い寝をする、といった様々なスタイルがあるが、これら表向きのサービスとは違う「裏オプ(裏オプション)」の存在が問題視されている。東京・池袋の「JKお散歩」店関係者は、JKビジネスは裏オプで成立している側面があると話す。
「男性客とお散歩をするだけでは、女の子の給与は普通のアルバイトと変わらない。裏オプをすることで、その代金は丸々少女に入ることになる。店としては裏オプの存在を認めていないが、裏オプができる店が繁盛し、稼ぎたい女の子が入店しやすいのは事実」
東京都条例の施行に合わせて、JKや女子高生といった文言を売りに営業していたJKビジネス店には、6月いっぱいの営業で閉店したり、サービス内容を変更し営業する予定だと伝えられるところが少なくない。しかし、法令をすり抜けて事業を続けたり、働き続ける者も少なくない。いたちごっこの様相は、条例施行前からすでに見え始めていたようだ。
千葉県北西部在住の女子高生・りんな(17)は、今年の2月まで東京・秋葉原の「JKリフレ」で働いていた。多い時では週に4日、夕方17時頃から深夜0時近くまで勤務していたという。少女を22時以降まで働かせるのは違法だが、店は黙認していた。「リフレ」とはリフレクソロジーの略語で、同店では現役の女子高生によるマッサージが受けられる。40分五千円ほど、一般的なマッサージよし少し高いくらいだが、やはりそこにも「裏オプ」が存在した。
「最初は普通のオイルマッサージ。お客さんもわかってるから”他にもできる?”とか聞いてくる。うちはゴム(避妊具)有りで2~3万もらってた。人にもよるけどね」
店からもらう給料は月に12万円ほど。一方、裏オプで受け取った金額は月に40万円を超えることもあった。「パパの給料よりもらってたかも」とあどけない笑顔で語るりんなだが、金銭感覚は完全に麻痺し、収入のほとんどは飲食費や遊興費に消え、さらなる物欲を満たすためには裏オプの回数を増やすしかなくなっていた。しかし、とある事件を機に、りんなはJKビジネス店をすっぱり辞めた。