昨年放送されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)のヒットもあり、認知度が高まった「家事代行」。その名の通り、家事全般を家人の代わりに行う仕事だが、「2014年の創業以来、サービスを利用したい人も、仕事にしたい人からの問い合わせも、伸びています」
こう説明するのは家事代行サービスを行う『CaSy(カジー)』社長の加茂雄一さんだ。実際、働き手は不足しており、厚生労働省の統計によると、家事代行を含む「家庭生活支援サービス」の有効求人倍率は、3.44倍(2017年4月期)と、全体平均1.24倍に比べかなりの高水準に。
また、主婦を対象にしたパートや派遣の仕事を紹介するサイト『しゅふJOB』広報の柴田菜々子さんは、こう話す。
「今年に入って家事代行サービスの求人数が急増しました。育児などが一段落し、日中の数時間の空きに働きたい、あるいは、久しぶりに社会復帰したい人にとって、一歩踏み出しやすい仕事だと思います。30~60才と幅広い年齢層も魅力です」
家事代行6年目で、週に2~3回働き、平均で約10万円を稼いでいる新井久美子さん(68才)は、次のように語る。
「限られた時間で、どの順番で掃除をし、終わらせるかを考えるだけでも頭を使います。それに体も使うので運動にもなり、若々しくいられる仕事です」
空き時間に働いて、月に1万円という人もいれば、30万円以上稼ぐ人もいるというが、働く前には研修制度があるから、未経験者が働くにも安心だ。
「研修を何回か重ね仕事を身につけてから働く人もいます。先輩がアシスタントに付いて現場を経験することもでき、働き始めてからも勉強会を実施。スキルが上がれば収入もアップします」(加茂さん)
全国平均で家事代行の時給は1000~1500円。CaSyの場合は、1450円からのスタートで、評価や能力で昇給、指名がつけば最高1750円。早ければ半年で、最高ランクに上り詰められる。
一方、家事代行を業者に頼む場合、1回2時間で約4000~1万円など、幅広い。
「業者や人によって得意分野が違います。何人かを利用して家事スキルや人柄などの相性も確認し、合う人を指名するといいですよ」(加茂さん)
定期利用契約を行えば、スポット利用(定期的な利用でなく、必要な時に、必要なだけ、1回の作業ごとに申し込み、利用すること)するより1~2割安くなるという。働く場合も、利用する場合も、お試ししてから、始めよう。
※女性セブン2017年7月13日号