小池百合子・東京都知事との「国政での直接対決」を最も恐れているのは安倍晋三・首相その人だろう。その証拠に、都議選でも小池氏から逃げ続けた。
各党党首が第一声を上げた告示日(6月23日)には、安倍首相は沖縄の慰霊式典に出席した後、かつて勤務した神戸製鋼所を視察。週明けから都議選の応援に入ったものの、小学校の体育館など支持者を集めた“内輪の演説”ばかりで、選挙最終日に秋葉原で演説するまで街頭に立って小池氏と戦おうとしなかった。自民党東京都連幹部が冷ややかな言い方をする。
「そりゃそうだ。これまで総理が街頭演説するときは公明党が支持者を大量動員して“安倍人気”を演出してきた。しかし、都議選は頼みの公明党が小池と手を組んだ。負けず嫌いの総理は動員力で差をつけられるのが嫌でたまらなかった」
それでも首相周辺からは「都議選はしょせん地方選挙。国政選挙はこうはならない」と楽観的な声が上がり、安倍一強の政治状況が変わるという危機感はない。
※週刊ポスト2017年7月14日号