ビジネス

絹糸を芯にして金箔を巻きつける“本金糸”高級ネックレス

寺島保太良商店の「絲tabane」

 大相撲は今年、横綱・稀勢の里、大関・高安の誕生により、最高潮の盛り上がりを見せている。取組とともに注目を集めているのが、豪華絢爛な刺繍を施した化粧まわしだ。

「実はこの刺繍に使用している金糸を“本金糸”といい、純金箔を和紙に貼り、細く切ってから絹糸に撚り付けて作るんです」

 そう話すのは、『寺島保太良商店』(京都市)の代表・寺島大悟さん。純金は、柔らかい金属なので、そのまま針金状に細く伸ばすとすぐに切れてしまう。そこで注目したのが、絹糸を芯にして、金箔を巻きつけていく“本金糸”の製法だ。

「本金糸は、丈夫で扱いやすく、金の輝きを最大限に生かせる日本の伝統工芸のひとつ。本金糸製法で出来上がった金糸は、それだけで華やかに輝きます。これを刺繍などの素材にするだけではなく、直接手に取って、糸そのものの美しさを楽しんでいただきたくて、それには、ジュエリーしかないと思ったんです」(寺島さん・以下同)

 こうして誕生したのが、『寺島保太良商店 絲tabane』(重さ約40g、3万7260円)。ややひねりを加えた糸束と、漆加工と、純金・純銀メッキを施した真鍮パイプを組み合わせることで、本金糸の繊細さが感じられるネックレスとブレスレットは作られる。

「純金と純銀に加えて、漆の色は、玄武(黒)、青龍(舛花漆・青)、白虎(白)、朱雀(弁柄漆・赤)の6色を選びました。この日本独特の色が、本金糸の輝きを引き立ててくれます。それに、漆は金箔を和紙に貼る際、欠かせないものでもあるので、これ以上ない組み合わせだと思います」

“絲tabane”(たばね)の名には、さまざまな人の知恵や発想、技術を“束ねて”できあがったという意味が込められている。伝統工芸の技を感じつつ、モダンな雰囲気にあふれるネックレス。このボリュームで、わずか40gという軽さも魅力となっている。

※女性セブン2017年7月13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン