女性アイドルの写真集やグラビアが話題になることはあっても、カレンダーがこれほど話題になったことはないだろう。アイドル絶頂期の1991年にカレンダーで半裸姿を披露した田村英里子が、伝説の仰天ショットについて振り返る。
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デビューのきっかけになったラジオ番組『決定!全日本歌謡選抜』(文化放送)のオーディション企画「スターは君だ!」でグランプリをいただいた時は本当に驚きました。後で「他の子が優勝するはずだった」と聞いて、「優勝する人って、決まっているんだ」と子供ながらに思ったものです。
このカレンダーがなぜ大きな話題になったか、今でも正直わかりません。私は2人姉妹だったせいか、いまだに男性の心理がよくわからないのです。当時は毎日仕事が夜中まであって、休みも取れず疲れ切っていました。それでも、このカレンダーがきっかけで人気番組に呼んでいただく機会が増えて、大人の女性として扱われることへの戸惑いを感じながら、その期待に応えようと一生懸命でした。
ハリウッドでの経験は『ハリウッド・ドリーム』という本に書きました。あの本を出した時点で私の中で一つの区切りがついたというのが実感です。今はヨークシャーテリアの愛犬ティファニーとロスでゆったりした生活を送っています。クッシング症候群の疾患を持つ“ティちゃん”のために、食事はすべて手作り。ティちゃんのために生きていると言っても過言ではありません(笑い)。
【プロフィール】たむら・えりこ/1月16日、茨城県生まれ、幼少期をヨーロッパ・ドイツで過ごす。帰国後、東映『花の降る午後』で映画デビュー。16歳で日本レコード大賞新人賞など多数受賞する。NHK大河ドラマ『秀吉』、東映『首領を殺った男』などで女優としても活躍後、2000年に単身渡米。2007年ドラマ『HEROES』ではヤエコ役を好演し全米で注目を浴びる。2009年映画『DRAGONBALL EVOLUTION』、ドラマ『REAPER』で活躍。米国ロスアンゼルス在住。
撮影■野村誠一
※週刊ポスト2017年7月14日号