6月28日に行なわれたフジ・メディア・ホールディングスの株主総会。かつての栄華が見る影もない視聴率低迷に喘ぐフジテレビだけあって、当日は3時間にわたって大紛糾した。日枝久志・ホールディングス会長と、亀山千広・フジテレビ社長らの退任など人事について辛辣な質問が相次いだ後、同社の“タブー”に斬り込む株主もいた。
「フジ側から有力者に頭を下げてスカウトする新人の採用枠は、全体の何割程度なのか?」
会社側はこう答えた。
「ご両親やご親戚に著名人がいる社員が一定の割合いることは発生しております。試験の結果、著名人の子供が入ることはありますが、その比率に制限をかけてしまうと別の意味の差別になると考えている」
「コネ入社」の存在を半ば認めるような回答だが、この説明をしたのが作家・遠藤周作の子息である遠藤龍之介・専務だったのは、株主にはブラックジョークに映ったことだろう。
この様子を生放送すれば低迷を脱する起爆剤となるのは間違いないが。
※週刊ポスト2017年7月14日号