「死後はお墓へ」というこれまでの常識を覆す選択肢に、「自宅墓」と呼ばれるものが出てきている。法的にも問題はない。株式会社松戸家のショールーム「お墓の窓口」(東京都小平市)で見学した。
高さ約1.3mのうち上部が仏壇、下部が骨壷置きに分かれたスタンダードタイプ(37万1000円)や、ほぼA4サイズで、奥行き約36cmの開閉できる木箱に、花立て、香炉、火立てがセットされ、小さな骨壷(別売り)も入る「祈りの小箱」(4万円)など、実に多様だった。
驚いたのは、松戸家が今年の2月に販売を開始したという、熊のぬいぐるみ形態の「ぬくもりべあ」(2万9800円)。少量の遺骨をハート形の桐箱に入れ、ぬいぐるみの背中に納めるもの。
「抱いたり、連れて出かけたり、添い寝も違和感なくできます。小さなお子さんなど大切な人が亡くなり、いつまでも身近なところにいてほしいと願うかたに向けて開発しました」と販売企画・促進部の渡部さくらさんは話す。全て可燃素材で作られており、いつか自分が死ぬ時棺に入れ、一緒に火葬することも可能だという。
取材・文/井上理津子(ノンフィクションライター)
※女性セブン2017年7月13日号