「私にとって日本を訪れることは、恋人に会いに行くようなもの。前日はドキドキして眠れませんでした」──韓国の“セクシークイーン”アン・シネは、こう笑いながら優しくボールにキスをした。
2度目の来日となった『アース・モンダミンカップ』(千葉・カメリアヒルズCC)にトレードマークの膝上30cmのミニスカ姿で現われると、練習日にもかかわらず50人の報道陣を引き連れてのラウンドとなった。しかし、アン・シネ自身はウェアについてこんな言い方をした。
「ギャラリーの注目が集まり、どんなウェアを着るかと期待してもらえるのはありがたいですし、プレッシャーも感じています。でも、プロゴルファーなのだから最高のパフォーマンスをお見せするのが第一であることは自覚しています」
翌日のウェアを予告したり、大会3日目には雨にもかかわらず途中からレインウェアを脱ぎ捨てノースリーブにミニスカ姿になる一方、プレー後には大行列のギャラリー全員に1時間かけて恒例のサイン会を開く。
「ゴルフ内容で満足してもらえませんでしたから、せめてサインで喜んでもらえたらと思いました」
日本でのプレーについては「日本のファンはマナーが素晴らしい。ゴルフ場も戦略的で挑戦意欲が湧きます」と語り、「食べ物も美味しいし、日本大好きです」というアン・シネ。派手なウェアばかりに視線が集まるが、ハートはプロ中のプロ。実力を兼ね備えた真の女王になる日も近い。
【プロフィール】アン・シネ/1990年12月18日生まれ、26歳。韓国・ソウル市出身。5歳からゴルフを始め、小3の時にニュージーランドへ移住。同国代表としてプレー後、2008年に韓国でプロ転向。2010年に年間2勝して賞金ランク3位に。2015年韓国メジャー大会で優勝、2016年に日本のツアー予選会に挑戦し、今年5月の国内メジャー・サロンパスカップで日本ツアーデビューを果たした。
撮影■藤岡雅樹 取材・文■鵜飼克郎
※週刊ポスト2017年7月14日号