キク科の一年草で、西アジア、地中海沿岸が原産地とされる「レタス」。和名は「萵苣(ちしゃ)」。これは「乳草」に由来しており、茎を切ると断面から乳液が出るため、そう呼ばれるようになったという。
古代ギリシャやローマでは、安眠をもたらす野菜として紀元前から食されていたとも。サラダ菜、サニーレタス、リーフレタスなど多種あるが、現在、一般的に「レタス」といえば、結球している玉レタスのことを指し、本格的に普及したのは16世紀頃から。日本で食卓に上がるようになったのは1960年代以降なので、比較的歴史の浅い野菜である。
レタスは約95%が水分。栄養価が高いとはいえないが、カリウム、カルシウム、鉄といったミネラル分やビタミン類、食物繊維をバランスよく含む。含有量は多くないものの、おもに生食するので損失率が少ないため、ビタミンやミネラルといった夏に欠かせない成分が効率よく摂れる。
また、加熱するとかさが減って食物繊維もしっかり摂れる。スープなどがおすすめだ。家庭料理研究家の松田美智子さんはこう話す。
「パリッとみずみずしいレタスは、それだけで夏の恵みを感じさせます。高原レタスは葉がワサワサして巻きが甘かったりしますが、手にのせてみて重みがあれば、新鮮な証拠です。包丁など金物を当てると酸化しますから、手でちぎってお使いください」
◆レタスの保存法
芯をくりぬいて濡らしたキッチンペーパーを詰めてポリ袋に入れる、レタスの芯に水で溶いた小麦粉を塗る…など、傷みやすいレタスの保存法については多々提案されているが、松田さんは“つまようじ”の活用をすすめる。
「レタスは収穫後も生長します。それは充分に水分がなくては即、劣化に繋がるということでもあります。そこで、レタスの根幹である芯にある生長点を、つまようじを刺すことで破壊するのです。芯につまようじ3~4本ほどを刺し、乾いたキッチンペーパーに包み、食品保存用袋などに入れて冷蔵庫へ。これで1週間ほどはパリパリのまま保存できますよ」(松田さん)
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2017年7月20日号