30期連続増収増益を成し遂げ、都市型店舗も次々と展開中のニトリ。その創業者であり、現在は会長を務める似鳥昭雄氏(73)は、2015年春に連載された日本経済新聞の『私の履歴書』が「面白すぎる!」と大きな話題を集めたが、実は似鳥にはもうひとつライフワークがある。歌うことだ。
高校2年生でNHK『のど自慢』に出場。大学時代はプロ歌手の養成所へ通い、札幌のナイトクラブの専属歌手となったが、「私より歌がうまい人が東京へ出て、1年もすると戻ってくる。じゃあ、自分には無理だ」と“先見の明”で、歌手として羽ばたく夢を早々に捨てた。
本職にはしないが、趣味を兼ねて歌を続けている。歌手「ニトリ アキオ」の名義で、2013年に川中美幸とデュエットした『めおと桜』をリリース。今年4月には新曲『ススキノ浪漫』を発表し、定期的にリサイタルも開く。本誌の密着取材期間だけでも入社式、奨学財団の卒・入団式、経営方針説明会……と人が集まれば、ことあるごとにオンステージで歌いまくる。
「なんで歌うのかって? 歌手ですから。なに言ってるんですか、プロなんですよ、プ・ロ。ニトリ アキオはホリプロならぬ“トリプロ”の所属歌手なんです(笑い)。ニトリ社長の白井(俊之)さんが冗談で事務所の名前を付けてくれて、所属歌手はニトリ アキオ1名です。経営者との比率は微々たるものでも、生涯歌い続けたい」