7月2日に投開票された東京都議選。小池百合子都知事率いる都民ファーストの会が圧勝し、自民党は大敗した。そんな自民党にあって、唯一、このベテラン女性議員だけは事情が違う。野田聖子代議士(56才)だ。
昨年9月、都知事選後に行われた野田氏主催のパーティーに出席した小池都知事は、「ここだけの話、野田先生は都知事選を手伝ってくれていた。これは“処分の対象”ではないか」と発言し、会場からはどよめきが起きた。党は小池氏の応援を禁止したのに野田氏が逆らったというのだ。
そもそもふたりは歩んできた政治人生が対照的だ。小池都知事はニュースキャスター出身で40才初当選。一方、野田氏は元大臣の父を持つ政界エリートで、37才10か月という若さで史上最年少の大臣に就任している。自民党関係者はこう語る。
「政治的にも対立したはずでした。小池さんは2005年8月の郵政選挙では郵政民営化に反対する候補への刺客だった。その郵政民営化に反対したのが野田さんでした。しかも党内の女性議員たちの“派閥”でも互いにリーダー的存在で、“初の女性総理候補”として強烈に意識しあっていました。ところが、野田さんにとって都知事になった小池さんは、首相の座を争う相手ではなくなった。『敵の敵は味方』の論理です。首相を目指す野田さんにとって“当面の敵”は安倍首相であり、その敵である小池さんは味方となったのでしょう」
野田氏はある対談でも《最近の私は、小池さんが頑張ってくれてることがすごい刺激になっていて、嬉しいんですよね》と小池都知事を盛んに持ち上げていた。最近の2人の関係はさらに密接なようだ。
「コンサルタント業をしている野田さんの妹・Sさんが小池さんに選挙のアドバイスなどをしているそうです。都議選の後には“Sさんを副知事にする”なんて噂もあります」(政治ジャーナリスト)
Sさんに話を聞いた。
「うちの姉が総裁選に立とうと思った時に小池先生に応援いただき、お礼したいと思っておりましたので、私も事務所で少しお手伝いしたくらいです。副知事の要請も、なるつもりもありません」
都議選の大敗で、安倍首相の求心力は一気に低下し、党内では“安倍の次”を狙って有力政治家たちが動き出している。党は違えども、勢いのある小池都知事がバックアップすれば野田氏が支持を集めて、安倍首相を倒す刺客になる──小池都知事はそんなシナリオを描いているのではないだろうか。
※女性セブン2017年7月20日号