品質の良い油を適量摂取することが、健康を増進し、病気を予防する効果があることは広く知られている。しかし、間違った形で油を摂っては逆効果になるケースもある。
油は一般的に常温で保存できるため、生鮮食品のようにすぐに劣化することはないが、光や空気、熱、水分などによって酸化が進んでいく。酸化した油は、風味が損なわれるだけでなく、健康効果が薄れ、動脈硬化などのリスクが高まるなど、体に悪影響。
『「隠れ油」という大問題 病気になる油、治す油』(三五館)の著者で、植物油研究家の林裕之さんは、こう話す。
「きちんと保存していても、料理中に酸化させてしまってはもったいない。特に、オメガ3系の油は熱に弱いため、出来上がった料理にかけたり、和えたりして、常温のままで食べて」
では、いつ摂るのがいいのか。慶応義塾大学医学部教授で油研究の第一人者の井上浩義さんによると、朝がもっとも望ましいという。
「不飽和脂肪酸は、体内に入ると抗酸化作用が期待できます。人間の体は、朝起きてから昼までの間に酸化ストレスが急激に上がり、午後から夜にかけて徐々に下がっていきます。この酸化ストレスを抑えるためにも、朝に摂るのが効果的。サラダのドレッシングに使ったり、みそ汁に入れるといいですよ」(井上さん)
※女性セブン2017年7月20日号