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きゃりーぱみゅぱみゅで話題の「お祓い」への若者心理

きゃりーで話題。若者にかかりつけお祓いが人気

《咳がずっと治らなくて苦しんでた件ですが最近、霊媒師さんに見てもらったら右肩に女性の霊と15個の念がついてると言われて、お祓いしてもらってから咳がピタッと止まりました。念って喉にでたりするんだって。みなさんもお気をつけください。。》

 こんなツイートをしたのは、歌手のきゃりーぱみゅぱみゅ(24才)。3月から続いていた原因不明の咳がお祓いで止まったと報告したのだ。すると普段は好意的なファンからも「怖いーー」「心配になる。治ったのはよかったけど、まずは病院行くだろ、普通」、「こんなの信じてるとは、ちょいがっかり」、「なぜ咳が出て霊媒師に見てもらおうと思った???」など心配の声が寄せられた。一方、「その霊媒師さん教えて」、「私も今同じ状態です。霊媒師さんにお願いした方がいいのかな。。」など、擁護派も現れ、炎上騒ぎに。

 これに対し、きゃりーは《オカルト女か?みたいに心配してる人いるけど全然そんなことないわ!笑》と反論ツイート。病院を5件まわったものの、処方薬がまったく効かずに困っていたとも明かした。

 お祓いと聞くと厄年の厄祓いが一般的だが、そもそもお祓いとはいつ、誰が、何のために行うものなのか。

 起源は、日本神話に出てくる、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓い。西暦701年の大宝律令によって、6月と12月の晦日に行う「大祓」が正式な宮中の年中行事に定められた。民間では、罪や穢、災厄など不浄を心身から取り除く毎年の除災行事として定着。茅の輪くぐりもその1つだ。

 関東三大師として知られる、佐野厄除大師(栃木県惣宗寺)の住職・旭岡靖人さんは言う。

「うちの場合は、護摩をたきながらお供え物をし、悪いものを祓ってもらって、願いを聞いてもらう“厄除け祈願”です。火を使わない寺もありますし、神社は神社で、あげる祝詞も違う。お祓いの仕方は寺や神社それぞれ、違うんですよ」(旭岡さん)

 旭岡さんによれば、日常の細かい不調や不安については、具体的に厄除け祈願した方がいいという。

「血圧が高い人は、“血圧が高い原因が治って、最高血圧が120、最低血圧が80になりますように”とか、ママ友との不仲がつらかったら“○○さんと仲よくいっていない原因がなくなって、仲よくなれますように。仲が悪いのが再発しませんように”とはっきり言うことです」(旭岡さん)

 目に見える部分で活路を見出せなくなると、見えない何かにすがる気持ちも理解できる。受験のために神頼みした経験を持つ人もいるだろう。重い病を持つ患者の家族がお祓いをしたり、御百度参りするのも珍しくない。市川海老蔵(39才)も、2016年、乳がんで闘病中の妻・小林麻央さん(享年34)を支えるために出家している。

 しかし、今回のきゃりーは、「お買い物行ってきました」というくらいカジュアルにお祓いしてきたことを公言している。この温度差たるや。若者の心理に詳しい、東亜大学准教授の平松隆円さんは言う。

「若い人は知識や経験が少ない上、悩みもいろいろと多く、新興宗教にハマりやすい傾向はあります。これさえすればよくなる、という世界に安直に飛び込みやすいんですね。ですが、もともと人間は、年齢問わず、自分が言ってほしいこと、好ましいことを言ってもらうと、都合よく記憶する傾向にあります。だからお祓いにしても占いにしても、当たらなかったことは忘れてしまいがちですが、病気が治ったら占いのおかげ、お祓いをしたおかげ、と思うのだと思います。要は何かあった時に背中を押してもらいたいのではないでしょうか」(平松さん)

 平松さんによれば、そういった世界が“エンターテインメント”になったのは、1980年代から。テレビや雑誌で当たり前に占いを取り上げるようになったことで、目に見えない世界が日常的にカジュアルに楽しめるコンテンツとなった。

※女性セブン2017年7月20日号

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