都議選でひとたび有権者が「1票の威力」を肌身で感じた東京では、次の総選挙で大激変が起きる。今回の都議選では、「自民党候補を落選させるために」1票を投じた有権者が多かったといわれる。いわゆる“落選運動”である。今回の都議選の成果を当てはめると、国政での問題議員たちが落選運動の結果どうなるかが見えてきた。
東京での「落選運動」の標的の上位に挙げられるのはこの2人、下村博文・幹事長代行と萩生田光一・官房副長官だろう。
下村氏は文部科学大臣時代(2013~2014年)に加計学園から合計200万円のパーティ券購入を受け、政治資金収支報告書に記載がないという“闇献金”疑惑が報じられた。
下村氏は緊急記者会見を開いて「事実無根」と否定したものの、200万円については現金で受け取ったことを認め、「加計学園の秘書室長が事務所を訪れ、計11の個人・企業から預かってきた各100万円ずつを持参した。各20万円以下で、それぞれ領収書を渡した。加計学園にパー券を買ってもらったわけではない」と説明した。
事実だとしても、当時は政府内で加計学園の獣医学部新設の議論が進められていた時期だ。学部認可の職務権限を持つ現職の文科大臣が、申請者側の学園秘書室長に政治資金を運んでもらうこと自体に疑惑が生じるのは当然だろう。
都議選ではその下村氏の地元(板橋区)で落選運動が起きた。元秘書の自民党現職都議2人が揃って落選。自民党の得票は約5万1000票と前回選挙よりも1万票以上落ち込み、約7万6000票を集めた都民ファーストに大差をつけられた。