中国が7月2日、国家の威信をかけて臨んだ最新鋭ロケット「長征5号」の打ち上げに失敗した。半月前にもロケット打ち上げに失敗したばかり。しかも、その模様は国営放送の中国中央テレビ局(CCTV)が生放送しており、発射からわずか12分で、中継を中断するというお粗末ぶり。当時、香港で同テレビの生放送を見ていたジャーナリストの相馬勝氏がリポートする。
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長征5号は、2022年前後の完成を目指す独自の宇宙ステーションの主要部品を軌道まで運ぶ新世代の主力ロケットだけに、今回は中国の今後の宇宙開発を左右するほどの重要な打ち上げ実験だった。
しかも、中国は6月19日に四川省の発射センターで「長征3号B」による放送用衛星の打ち上げを行ったが、予定されていた軌道への進入に失敗していた。このため、今回の打ち上げの前に心配する声も出たが、「失敗原因を究明して徹底的に対応した」(当局)として打ち上げを強行したことが裏目に出た。
よほど自信があったのか、その模様は国営放送の中国中央テレビ局が生放送。2グループの撮影クルーを打ち上げ場所となった海南省の「中国文昌宇宙発射場」に派遣して、その日の朝のニュースでも報じ、打ち上げ本番はずっと生中継を続けていた。