たくさんの花に囲まれた小林麻央さん(享年34)の遺影と骨壺が置かれた祭壇には、今、白狐の衣装に身を包んだ勸玄くん(4才)が「勸玄白狐、御前に!」と名乗りを上げる姿の写真が飾られているという。
麻央さんとの永遠の別れから3週間。市川海老蔵(39才)をはじめ、麗禾ちゃん(5才)や勸玄くん、多くの関係者の胸にはまだ麻央さんを失った悲しみが深く刻みつけられている。
《今日からパパママもやります》
麻央さんの死の直後、海老蔵はブログにそう決意を綴った。歌舞伎役者として舞台に立つ一方、2人の子供たちの世話に心を砕く毎日だが、ここにきて、海老蔵にはもう1つの悩みがのしかかっているという。
「麻央さんのお骨を成田屋の代々のお墓に入れるべきか、それとも小林家に返すべきか――海老蔵さんは、大きな選択を迫られているんです」(梨園関係者)
麻央さんが亡くなったのは6月22日の夜。神道では、死後50日祭が終わったタイミングで納骨するのが通常だという。そうなれば、8月上旬にも麻央さんの納骨が行われる。
「歴代の團十郎や成田屋の関係者は、青山墓地内にある『成田屋墓所』に埋葬されてきました。父である十二代目・團十郎さんの納骨の際に、海老蔵さんはそこに新しいお墓を建てました。二十四代まで名前を刻めるものだそうです。当然、海老蔵さんは“遠い将来”に、麻央さんと一緒にそこに入ることになると考えていたようです」(前出・梨園関係者)
だが、麻央さんと海老蔵の夫婦生活はわずか7年で終わりを迎えた。
「海老蔵さんは、“麻央と一緒に生きる”と公言していますが、歌舞伎界の中心に鎮座し、最も歴史のある成田屋で、将来大名跡である團十郎を継ぐことになる海老蔵さんに、ご贔屓のお客様の対応などを一手に引き受けるおかみさんの存在は必須だという声は多くあります。もし再婚となれば、いつか、前妻である麻央さんと、後妻のお骨が一緒のお墓に入ることさえ考えられます」(前出・梨園関係者)
前妻と後妻が同じ墓に入ることはタブーではない。歌舞伎界でも同様だ。
「大正の名優六代目・尾上菊五郎は、前妻の死後、めかけだった女性を正妻に昇格させました。2人の妻は一緒のお墓に入っていますし、特別避けなければならないといった掟があるわけではありません。ただ、心情的な面もありますからね。後妻がそれを嫌がり、もめるケースもあるでしょうね」(別の梨園関係者)
一般論としても、前妻と後妻のお骨を巡る問題は根深い。2012年に70才で亡くなった地井武男さんは、当初2001年に先立った前妻と同じ墓に埋葬された。