夏に旬を迎えるゴーヤーは沖縄の方言でにがうりのこと。名の通り、強い独特の苦みがある。「ツルレイシ」とも呼ばれる。
ゴーヤーといえば「ゴーヤーチャンプルー」が有名で、10年ほど前までは、あまり他県では出回っていなかったが、その健康効果がテレビなどで広まったこともあり、2000年以降、全国に出荷されるようになった。
原産地はインドを中心とする東南アジアで、中国を経て慶長年間(1596~1615年)に日本へ渡来したとされる。琉球王国時代の書物「琉球国由来記」(1713年)に“苦瓜”が記載されていることから、そのころには沖縄でゴーヤーが食べられていたと推察されるが、定かではない。
ゴーヤーの栄養価の高さは、緑黄色野菜の中でもダントツで、とくに夏バテやがん予防にも有効とされるビタミンCの含有量はレモンの約3倍、キャベツの4倍を誇る。ゴーヤーのビタミンCは熱に強いため、加熱調理しても成分が壊れにくいのも特徴的だ。夏バテの予防や手当てにぴったりだ。
「ゴーヤーのように苦みの強い野菜は、塩ではなく三温糖を使ってあく抜きを。苦みがほんのりとした“風味”に変化するのと同時に、余分な水分も効果的に抜けて口当たりがよくなります」(家庭料理研究家の松田美智子さん)
【ゴーヤーの下ごしらえ】
最近のゴーヤーは品種改良で苦みを抑えたものも出回っているが、一般的には、イボイボが大きく色が薄いほうが苦みが弱いとされる。本来のゴーヤーの苦みを好む場合は、イボイボが細かく密集して色が濃いものを選ぶとよい。
下ごしらえは縦に半分に割り、中の種とワタをスプーンなどで取り除く。苦みを少しでも和らげたいときは、白っぽい部分をていねいにこそげ落とす。生で食す場合などは、さらに薄切りにしてから三温糖をまぶして15分ほど置く。こうすると水分とともに苦みが抜け、口当たりもよくなる。
■ゴーヤーののり酢和え
【1】ゴーヤー1/2本は縦半分に切り、成り口から細いスプーン等で種とワタを除き、4cm長さに切り揃えて縦に薄切りにする。三温糖小さじ1をまぶして15分置く。
【2】三温糖が溶けたらゴーヤーを軽く絞り、米酢大さじ2、みりん(1/3カップを半量に煮詰めたもの)、塩少量と合わせる。寿司のり1/2枚(焼きのり4枚)をちぎり混ぜる。
【3】器に盛り、白ごま小さじ1をあしらう。
撮影/鍋島徳恭
※女性セブン2017年7月27日号