1975年の放送開始から、42年続く長寿番組『パネルクイズ アタック25』(テレビ朝日系・朝日放送制作)は、民放で唯一の視聴者参加型のクイズ番組。何より重要なのが問題だ。
専属のクイズ作家12名から収録3週間前に、問題約150問が集まる(年間で約8000問!)。それをもとに、スタッフ、作家で会議を行って問題を厳選。収録10日前の「問題読み上げ会議」ではスタッフが音読した問題をもとに、さらに精査する。最終的に約50問に絞り込む。
題は専用の問題用紙に印刷され、加藤明子アナ(41才)の手元に。加藤アナは、問題のポイントとなる単語に抑揚を付けるなどして、解答者にわかりやすく読み上げることを意識しているという。
問題と答えに間違いがないか、6人の問題チェッカーが作成された問題を持ち帰り、入念に事実確認を行う。収録当日にも彼らは、ダブルチェックのためスタジオと調整室の2組に分かれてスタンバイ。
「解答者の解答が正解かどうか判定しづらいものがあった場合は、収録を止めることもあります」(番組プロデューサー・渡邉拓史さん)
構成作家・高見孔二さん(66才)は、番組スタート時から問題作成に関わり、27年前からは番組全体の構成も担当している。
「番組でいちばん苦労しているのは問題作り。単に難しい問題ならいくらでもできるんです。でも、それだと誰も答えられなくて番組の流れも停滞するし、解答者も気落ちする。そうじゃなく、正解して“やった!”と喜んでもらって、それでおもしろい問題を作るのがポイントです」
“簡単な問題を作ることこそ難しい”という高見さんが意識していることがある。
「クイズの作り方でこだわっているのは、“えっ、そうなんや!”ということ。テレビで見て知って、次の日にそのことをしゃべりたくってしょうがないという問題がいちばんおもしろい。たとえば、セキセイインコに関する問題。あれ、背中が黄色と青なんで“背黄青インコ”と書く。それを知ると“そうなんや!”とテンション上がるでしょう」
42年続く番組の長寿の秘訣についてはこう語る。
「クイズだけじゃなく、パネルがあるから。別の解答者が他のパネルを消すことで展開が変わる。そのダイナミズムがおもしろい。クイズに絶対強い人が勝つわけでもないのです」
撮影/辻村耕司
※女性セブン2017年7月27日号