ここまで迫るとは――ドラマ関係者が驚いたのは、日曜9時のドラマ対決だ。『警視庁いきもの係』(フジテレビ系)が初回視聴率8.9%を記録し、『ごめん、愛してる』(TBS系)の9.8%に肉薄したのだ。この枠では、フジがTBSに惨敗していたが、今回はなぜ接戦になったのか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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フジテレビの日曜9時ドラマ枠(以下、フジ日9に略)は、昨年4月のスタートから大苦戦。視聴率でTBSの日曜劇場に5連敗中で、トリプルスコアの差をつけられるのが当たり前のようになっていました。
日曜劇場は60年超の歴史を持ち、近年でも『半沢直樹』『天皇の料理番』『下町ロケット』『99.9 -刑事専門弁護士-』などのヒット作を生んだ日本一の民放ドラマ枠。それだけに業界内では、「やっぱり」「そりゃ勝てないよ」という声が飛び交っていました。
今年5月には一部スポーツ紙が、「フジ日9の打ち切りが決定した」と報じましたが、それが本当なら「最後の作品となる『警視庁いきもの係』が一矢報いるかどうか」が今後の焦点になっていくでしょう。
初回視聴率では『ごめん、愛してる』が『警視庁いきもの係』をリードしていますが、知人コラムニストやテレビ誌記者に聞くと、「早ければ2~3話で逆転しそう」という声がほとんどでした。
負けっ放しだったフジ日9と、民放ドラマ枠のトップに君臨するTBS日曜劇場の間に何が起きているのでしょうか。
◆『マルモ』の成功を思い出す癒し