J-POPの歴史を変えた孤高の歌姫、森高千里(48)。アイドルとミュージシャンの境界をまたぐような“森高千里”としか言いようのない特異な存在──。ほかの誰でもない独自の存在に至った“誕生の秘密”を、まず本人に訊いてみると、笑いながらこう振り返った。
「簡単に言えば他に道がなかったんですよ(笑い)。デビューしたきっかけがCMのオーディションで、女優・タレント・歌手といろいろな仕事が決まっていて、歌番組でもアーティストみたいな感じを漂わせてて。自分でも何をどうしたらいいか不安でしたね」
転機となったのはデビューから約3か月後。渋谷のライブハウスで行なった初ライブだった。
「わざわざチケットを買って足を運んでくれることが衝撃的でしたし、私のパフォーマンスに反応して盛り上がってくれるわけじゃないですか。とにかくその空間が楽しかった。私がやりたいのはライブなんだと、はっきりわかったんですよね」
仕事を歌手に絞り、ライブをやるために自分はどうあるべきか──そう考えるようになった瞬間、森高千里が目覚めた。また彼女のスゴいところは、そこから誰も歩いていない道なき道を進んだ点だろう。
「いや、だからアイドルにもアーティストにも寄せられなかったんですって(笑い)。