各所で35℃以上になる猛暑日が続いているが、この時期、注意したいのが食中毒だ。岐阜県や佐賀県など、食中毒警報を発令した自治体もある。気温が上がれば、食品が傷みやすいのは当然で、同じ食品でも冬に比べて足が早い。そこで、夏場のホントの賞味期限をお教えします。
◆夏の湿度も温度も昔と今では大違い!
「最近の夏は、昔と比べて高温多湿。キッチンでの注意点はたくさんあります」
こう話すのは、フードコーディネーターの南恵子さんだ。実際に2016年の日本の年平均気温は、1898年の統計開始以来最高の値を記録。1981~2010年の平均値と比べると、0.88℃上昇していた。
「夏の冷蔵庫の温度は冬場より下がりにくく、一度開けると一気に上がります。菌が繁殖しやすくなるので注意が必要です」(南さん)
早めに作った夕飯をコンロの上などについ放置してしまいがちだが、絶対に避けた方がいい。
「特に、糖分やたんぱく質を含む栄養価が高い料理は、菌が繁殖しやすくなります。できるだけ早く冷やし、冷蔵庫に入れましょう。たとえば、緑茶より糖分が高い麦茶は、煮出したらすぐに冷まし、冷蔵してください」(南さん)
食品安全教育研究所の代表・河岸宏和さんもこう話す。
「基本的に、細菌は60℃で30分加熱すれば死にますが、それに満たない分数だと菌が残ってしまう。また、加熱しても一度ふたを開けて混ぜると、空気中の菌が入ってしまいます。一晩寝かしたカレーもこの時期は危険です。カレーには小麦粉や野菜などいろんな具材が入っていることもあり、ウェルシュ菌という食中毒の原因になる菌が繁殖しやすいんです」
※女性セブン2017年8月3日号