「人間には敵か、家族か、使用人の3種類しかいない」──そんな“攻撃的な人生観”を語ったのは田中眞紀子氏だったが、安倍首相の視野はもっと狭いらしい。自民党の村上誠一郎氏にいわせると、「安倍さんの人事には、お友だちか、同じ思想を持つ人か、イエスマンの3つしかない」からだ。いずれも自分に逆らわない人物という意味で事実上1タイプといっていい。
「人心一新」を掲げて8月初旬に行なわれる内閣改造でも、盟友の麻生太郎・副総理と菅義偉・官房長官の続投が早くも固まったとみられ、岸田文雄・外相や二階俊博・自民党幹事長は派閥の会合で「今後とも安倍首相を支える」とイエスマン宣言してポスト確保に躍起となっている。
そうなると人事の選択肢はいよいよ狭くなる。官邸中枢官僚の下馬評だ。
「総理は実弟の岸信夫・外務副大臣をそろそろ外相に据えたいようだ。その場合、岸田さんは党三役か別の大臣に横滑り。女性閣僚では高市早苗・総務相、丸川珠代・五輪相は代わりが見当たらないと消極的続投。稲田朋美・防衛相の交代は既定路線だが、代わりの女性大臣枠には三原じゅん子の抜擢もありうる。再入閣組はテロ等準備罪(共謀罪)審議で汗をかいた佐藤勉・議運委委員長が最有力。今までと変わり映えしないメンツになりそうだ」
注目は“入閣拒否”を続けてきた小泉進次郎氏の大抜擢があるかどうかだ。