北朝鮮当局が、国内に蔓延する麻薬汚染に対し、金正恩体制の維持に悪影響を及ぼしかねない、と危機感を抱いている。近年、そんな情報が北朝鮮ウォッチャーにもたらされるようになった。ジャーナリスト・城内康伸氏は、それを裏付ける驚愕の事実を掴んだ。
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北朝鮮では今、全国の公式・非公式の市場に中国製品を中心とした様々な商品が豊富に並んでいる。あるシンクタンクの調査によると、隣接した中国の都市で調達した商品は早ければ、2日後には、北朝鮮の地方市場に届くという。
諸外国との交流が著しく制限されるなか、北朝鮮国内の流通網の整備が進んだのか。いや、「迅速な物流には、覚醒剤が絡んでいる」とは、中国と国境を接する平安北道の貿易商の解説だ。「物品を運ぶ運転手の多くが、オルム(覚醒剤)を使っている。そうすれば、二晩程度は眠気を催さずに、目的地までまっしぐらだ」
本気とも冗談ともとれぬ言葉だが、北朝鮮当局が違法薬物の蔓延に、業を煮やしているのは事実だ。