全国的に梅雨が明け、猛暑の季節がやってきた。この時期、子供が熱中症により車中で死亡する事故が毎年のように報告されているが、なぜ事故はなくならないのか。Safe kids Japan理事長で小児科医の山中龍宏さんが語る。
「“寝ていたから”“ちょっとだけだから”と子供を車に残して買い物などに行ってしまいがちですが、スーパーで行列でもできていれば、10分、15分はあっという間です。冷房をつけていても子供はじっとしていません。誤ってスイッチを切ってしまう可能性もあるんです。もし、子供が誤ってドアをロックしてしまったら命にかかわります。決して車中に子供を置き去りにしてはいけません」
JAF(日本自動車連盟)が2012年に行った実験によると、真夏にエアコンを切った車内は気温が急激に上昇、わずか5分で熱中症指数は警戒レベルに、15分後には危険レベルにまで達した。
さらに、2015年8月にJAFが「キー閉じ込み」で出動した救援のうち、子供が車内に残されたままのケースは全国で236件。原因は「子供が誤ってロックを操作した」というものが多かったのだ。
もちろん普段から子供の熱中症に気を配る必要がある。
「子供は大人に比べて地面から伝わる熱の影響を受けやすいのです。常に“子供は自分より4~5℃は暑い”という意識を持って。炎天下のベビーカーの使用には日よけを使って」(日本赤十字社 赤十字幼児安全法講師の清田敏恵さん)
※女性セブン2017年8月3日号