本誌前号「セカンドオピニオン 正しい求め方、選び方、決め方」は読者から大反響を呼んだ。その必要性は感じながら、どのようにセカンドオピニオンを求めていいか分からないという人たちが増えているのだ。しかし、一方でこんな声も届いた。
「いきなり別の医者に会いに行くのはハードルが高い。何か他の手段はないのでしょうか」
そんなニーズを受けてインターネットを介してアドバイスしてくれる医師たちがいる。
〈74歳(男)です。S状結腸がんです。治療法をきめたいと思っています。腸閉塞で緊急入院し、現在人工肛門を設置しています。PET/CT検査の結果はS状結腸がん、リンパ節転移、明らかな遠隔転移なしでした。放射線治療は『患部が小腸に近いので勧められない』と主治医から聞かされていますが、調べてみると、近年は高精度放射線治療が可能になっているようです。主治医の意見は尊重すべき知見なのでしょうか〉(以下、Q&Aは文意を変えない範囲で一部省略などしている)
質問者は手術ではなく、高精度放射線治療を望んでいるようだが、それに対して「大腸肛門専門医」はこう回答した。
〈リンパ節転移が腸管周囲に留まっているのでしたら手術以外の選択肢はないです。放射線治療、化学療法では治癒(がんが治る)の見込みはないです。高精度放射線治療でS状結腸がんが治癒することはないと思いますし、仮によく効いたとしたら、それによってがんの場所に穴があくリスクもあります。手術以外は勧められません〉