支持率が29.9%(時事通信)と危険水域に入った安倍政権の先行きを最も警戒しているのは政治のプロではなく、株価のチャート(値動き)から市場分析する株式市場のテクニカル・アナリストたちだ。
シグマ・キャピタルのチーフエコノミストである田代秀敏氏がNNN(日本テレビ系)の世論調査の数字から2007年の第1次安倍内閣と現在の支持率の動きを比較したところ、4月以降のグラフがピタリ重なっている。田代氏が指摘する。
「安倍内閣の支持率の推移パターンは2007年に酷似しています。テクニカル・アナリストならずとも10年前の経験則から2か月後には安倍首相は退陣に追い込まれる可能性があると予測できる」
似ているのは支持率チャートだけではない。閣僚の不祥事連発で支持率が急落した第1次安倍内閣では、ベテラン大臣が言うことをきかない“閣議学級崩壊”が報じられた。それらは、「天下り規制に反発した財務省官僚たちのリーク」(閣僚経験者)によってマスコミに流れたと言われていた。そして参院選に大敗すると、与謝野馨財務相や石破茂農水相らから退陣要求を突きつけられて進退窮まった。そのストレスが持病の潰瘍性大腸炎を悪化させたのだ。
その状況は現在の安倍政権にも当てはまる。加計問題は文科官僚の反乱で疑惑に火がつき、都議選に大敗すると今回も石破氏らから首相批判が噴出し始めた。官邸では「加計問題の対応をめぐって総理と菅官房長官の方針がバラバラ。どっちを向いたらいいかわからない」(官邸スタッフ)と、閣内不一致による崩壊現象が進んでいる。