冷房の効いたエントランスに入ると、若い母親たちに手を引かれた幼児たちの「せんせい、こんにちは」というかわいい声がこだまする。ここは、東京都心部にある有名お受験塾。7月中旬の昼間、炎天下のなか、続々と子供たちが集まってくる。
「こんにちは! よろしくお願いします!!」。ひときわ通るハスキーボイスに振り向いたママたちは、そのパパの顔を見てびっくり。郷ひろみ(61才)だった。
「そもそも平日の昼間の教室にお父さんが来るのも目立ちますが、まさか郷さんだとは、本当に驚きました。郷さんには3才の双子の男の子がいるので、その送り迎えだったのでしょう。ニコニコしてしきりに子供に話しかけていて、いいパパなんです。熱心に先生の言うことを聞いてましたよ。なにより、ウチの30代のパパよりも、溌剌としてて若い(笑い)。郷さんのお子さんは、今秋の私立幼稚園受験を狙っているのか、数年後の小学校受験を見据えた準備かの、どちらかなんでしょうね」(保護者の1人)
今年もアッチッチな夏休みがやってきた。幼稚園や小学校を受験する親子にとって「勝負のシーズン」。大学や高校受験は年明けから始まるため冬休みが追い込み時期となるが、“お受験”は多くが11月初旬に実施されるので、夏が山場なのだ。
お受験戦争を控えて奮闘する芸能人パパにとっても熱い日が続くことになる。そもそも芸能人が子供を私立に入れたがるのにはワケがある。
「芸能人の子育てが難しいのは、“〇〇さんの子供”と周囲から好奇の目で見られることです。目立つことで、おだてられてワガママに育ったり、逆にいじめのターゲットになったりすることも。私立に行くと周囲にも有名人の子息子女が多いのであまり目立たず、“特別扱いなし”で教育されたり、友達とつきあえることが魅力です」(教育関係者)
高校や大学受験は本人の実力次第だが、お受験は子供とともに親も立派な“審査対象”。「お父さんのせいで落ちた」なんて言われたら立つ瀬がない。
「お受験は、ペーパー試験と同じぐらい、親が書く『入学願書』や、両親を含めた三者面談が重視されます。なかでも男親は育児方針や職業などで“質問攻め”にあい、受け答えの内容だけではなくマナーや品格まで厳しくチェックされます。面談の座席が、父親と子供が前列で後列が母親という幼稚園もあるほどです」(前出・教育関係者)
※女性セブン2017年8月10日号